西加奈子さん二冊目。
「円卓」を読んだ時に、面白さの中に底知れぬ闇が見えるシーンがあったので、今回も楽しげな始まりでありつつもそのパターンか?と身構えつつ読み進めたのですが、結果、感動の大泣きの中に幕を閉じました。
肉子ちゃん最高すぎるやろーー!!!
母娘家庭。大人びた子供と、その子供の目を通して語られる少し危なっかしさのある母親(及び、深い愛情と血のつながりのなさ)みたいな構図はよく見るので、ある意味お決まりのパターンだったとは思うのだけど、もう肉子ちゃんのキャラが素晴らしすぎて、
何も言えねぇっ…!(某水泳選手風に)
お尻にポケット柄がついたデニム風のスパッツとか、達磨柄の布団とか、そういう細かいところの描写によって肉子ちゃんがどんな人なのかが表れる、西さんの表現が本当に素晴らしいなぁと思いました。
あと、実の母娘ではないということをキクりんが指摘するシーンで、図星の肉子ちゃんがいちいち「ぶうっ…!」っていうのが可愛すぎて、泣きながらめっちゃ笑いました。
石巻市が舞台のモデルということで、あとがきを読むと、この物語の重要性が新たに浮かびあがってきて胸に詰まるのですが、そういうことを念頭に置かなかったとしても十分感動できる小説だと思います。
それにしても、円卓でも思ったけれど、西さんの描く「子どもたちの世界」がとにかく上手くて、子供時代に感じていた切実さをここまで再現できるのは本当にすごいなぁと感じます。感情に関する記憶力がめちゃめちゃいいとか?
次は「サラバ!」を読もうかなぁと検討中です。